学校法人一隅学園 だいぜんじ幼稚園

園内日誌

子ども達が創る明日の発表会

りょうけんの独り言

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あっという間に師走。そして明日は発表会です。ついこの前、運動会が終わったばかりのような気がします。


今年の発表会は、これまでと変わっています。


私が感じているのは、2つ。


一つ目は、園児達の楽しみにしている雰囲気・質が変わっている気がします。


そしてもう一つは、先生達が全くピリついていません(笑)。


どうしてなのでしょう? これ、大切な話です。




明日の本番をご覧になって、数年前~昨年の発表会をご存知の保護者の方々の中には、驚かれる方もいらっしゃるかも知れません。


その変化は、もちろん良い変化ですが、ご説明をしておかないと悪い変化と誤解される恐れもあります。


運動会同様、だいぜんじ幼稚園では、発表会も「子ども達の行事」にするために職員間で話合いや研修・研究を続けて参りました。


その成果が着々と現場に生まれ、子ども達の育みを大きく変えていると実感しております。




発表会の準備段階で、ある先生から聞いたエピソードです。


発表会の練習をしていると、子ども達が、ステージ入場の時からワイワイガヤガヤしていたそうです。


その先生は「 注意しなきゃ 」と思ったのも束の間、「 いや、この子たちは楽しんでるんだから、注意するのはオカシイ 」と思いとどまったそうです。


自園の教員を取り上げて、手前味噌ですが、これ、スゴイことなんです。




< 来週には保護者の方々の前で発表しなければならない = お行儀良く格好よく入場させなければ >


となるのが、これまでの先生の思考回路です。


でも、「お行儀良く格好よく入場させなければ」ならない理由は子ども達には無いんですね。


大人(先生と保護者)が勝手に期待しているだけで、子ども達にとっては迷惑な話です。


『 私たちの発表会にケチつけないでよ 』と思われる気がします(笑)。




そこで、その先生は、子ども達に問いかけたそうです。


「 みんなはおうちの人たちに、どんな姿を見てもらいたいの? 」


子ども達の口から様々な意見が出て、みんなとしては、


『 カッコよくて、かわいい姿 を見てもらいたい 』とのこと。


結局先生の想いとあまり差がありませんね(笑)


でも、” プロセス ”が全く違います。




「 もっと静かに入場しないとカッコ悪いよ!」


と言われてやらされるのと、


『 カッコよくてかわいい姿を見て欲しい  』


と自分達で決めるのとでは、主体性や自己肯定感の育ちが大きく違ってきます。




『 カッコよくてかわいい姿を見てもらう  』ことを決めた子ども達は、


カッコイイのはどんな座り方か?立ち方か?歩き方か?考え話し合います。


かわいいってどんな姿なのか?考え話し合います。


それを経た後、演技が変わったそうです。




今年の発表会は、子ども達が決めて、創り上げています。


何を発表するのか、おうちの人に何を見てもらいたいのか。


当たり前ですが、それは一人ひとり違います。


例年ですと考えられない手法の発表をするクラスがあります。


2人や3人の小グループで自分達が「これを発表したい!」と決めたことを発表するクラスもあります。


遊戯室から飛び出して、教室でお店屋さんを開くクラスもあります。


「 発表会 = 教員が教え込む劇・合唱・合奏・ダンス 」という概念はもうそこにはありません。


子ども達が表現したい事を、子ども達が表現したい方法で、子ども達が本日までに創り上げました。




その発表は、紛れもなくあの子達のありのままであり、未熟であり、素朴であり、美しくもあります。


どうぞ明日は存分に楽しんで頂き、夜には、発表会というプロジェクトをご家族皆さんで労って頂けると幸いです。


りょうけん

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